▶ スーパーイタサン 誕生のきっかけ
創業以来“機電一体”でモノづくりに取り組む当社は、製造業向けの様々な設備の開発製造を中心に、航空機関連の部品製造、自動車製作の自動ライン、画像検査装置、防音/消音設備などを行って参りました。
イタサン誕生のきっかけは1990年代、水産加工会社様から「職人が腱鞘炎になり、切身加工が間に合わない」そう相談を持ち掛けられたことです。
食文化の変化の中で大手スーパーが各地に増えていき、切身の大量生産・大量販売が主流となっていきましたが、当時は切身加工は職人の手作業が当たり前でした。人手不足かつ素人では質量・形状を揃える加工は困難で、職人の仕事は激務になっていました。そのような事情を承り、当時の営業担当者は「三友工業の技術なら何とかできる!」と確信し社内開発をスタート致しました。
度重なる検討・検証を重ね、2000年に販売開始したのがスーパーイタサンです。その後改良を続け、現在の高速・高精度のスーパーイタサンSAS-60Hsを販売しております。
▶ スーパーイタサン 最大の特徴は?
スーパーイタサンは“素人でも歩留まり良く、高速で正確な切身加工が簡単に出来る”がコンセプトです。
加工したい切身の質量、長さ、巾をタッチパネルに入力、原料をコンベアに乗せてスタートボタンを押せばあとは全自動で希望通りの切身を正確に加工致します。その加工スピードも1原料から15切身取れる場合、1時間で約4200切身の加工が可能です。一般的に職人の加工が1日8時間で5000切身と言われますので、そのスピードのすごさを実感頂けると思います。
また、投入する魚体の大小サイズ関係なく、機械が自動判別して同じサイズの切身加工を行います。
加工処理能力が最大のアピールポイントですが、もう1点操作の簡単さが好評いただいております。タッチパネル入力も決められた数字を入力するだけ、後はスタートボタンを押せば全自動で加工を行う為、加工現場では高齢者や外国人の方でもご使用頂いております。人件費削減、人材採用の手間を削減、作業効率向上、品質向上等様々な点でスーパーイタサンはその能力を発揮致しております。
▶ スーパーイタサン と他社商品との違いは?
指定した切身条件を投入した原料毎に瞬時に測定・計算し、最適な加工方法にて処理を行います。加工される切身は尾部から頭部のサイズが揃っています。これは他社さんではまねできない技術です。
規格内であればブリ・タラ・マグロなど多種類の魚も加工可能です。
1原料で15切身加工できた場合、1時間に約4200切身。
この速度が実現できたのはスーパーイタサンのみです。
他社さんの製品ですと1原料毎に機械操作が必要ですが、スーパーイタサンではタッチパネルで切身サイズを入力後、入口コンベアに原料を乗せてスタートボタンを押すだけ、連続して3原料を投入できます。
投入前の原材料を全て同じサイズに揃える必要もなく、前加工の手間も省略できます。(魚体サイズの範囲指定はあります。)
また、原料サイズが規定よりも大きかったり小さかったりした場合は、切らずにそのまま出てくるので、ロスが少ないのも特徴ですね。
他社さんと比較したデメリットとしては、機械の本体サイズが大きいことと価格です。
ですが、それを上回るメリットがあり、ありがたいことに多くのお客様にお使いいただいております。
▶ 開発時に最も苦労した点は?
開発にあたり、社内はもちろん世間で誰も実現したことのない新しい技術に挑戦となったため、水産加工業を知る所から始まりました。水産加工経験など無いメンバーが水産加工現場に入りその技術を勉強し、職人の巧みな技の研究や仕事上で辛いこと、実現したら嬉しい事をヒアリングを行い、水産会社様の希望を叶える機械を作り上げる為に努力いたしました。
①魚の形は色々でその全てを同じ形状の切身に加工するにはどうしたらよいか
②切身がきれいに揃う加工はどのようにしたらよいか
③加工する為の機械構造、刃物はどのようにしたらよいか
機械設計、制御設計、画像解析等様々課題は山積みでした。
何台も試作を繰り返し、使用した魚も数知れず。。。
切身が飛ばず、きれいな断面のカットが出来るか刃物メーカーさんと共同開発し試作した刃物は100枚以上。。。トライ&エラーを繰り返しました。
そして努力の末スーパーイタサンが完成しました。
水産会社では今まで「切身を機械で作る」という概念が無かったため、販売開始直後はほとんど反響はありませんでした。
しかし、1社への導入がきっかけで、その能力を知った周りの会社からも引き合いをいただき、口コミで徐々に広がり、今では日本全国各地の水産加工業の方々にご利用いただいています。
▶ スーパーイタサンの今後の展開は?
現在は魚をメインで対応しています。その加工可能魚種も鮭、タラ、サワラ、マグロと多種多様な切身加工が可能です。
今後はスーパーイタサンの画像・切断・自動加工技術を使い、魚以外の食材加工を挑戦していこうと検討しております。
また、交換が多い部品の改良で、高耐久化や、海外展開へも取り組んでいきたいと考えています。